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【10月前半急落相場】権利確定月の優待銘柄の動きを追う

「優待」が買い材料になりやすい銘柄は確かに底堅い

10月に入り、平均株価は1割強下げてしまいました。連日全面安というひどい相場状況になったわけですが、こんなとき、権利確定月の優待銘柄はどんな動きをしていたのでしょうか。唐突ではありますが、そうしたさなかに「株<優待>アノマリー情報」の最新号を発売したこともあり、10月権利確定の優待銘柄の様子をチェックしてみました。

<図表−1>10月の優待銘柄
コード 銘柄名 騰落率
合計
掲載
銘柄
7640 トップカルチャー -9.4 Y
2830 アヲハタ 0.3 Y
3329 東和フードサービス -1.6 Y
8079 正栄食品工業 -2.2 Y
9444 トーシン -4.9 Y
2923 サトウ食品工業 -2.2 Y
2910 ロック・フィールド -4.8 Y
3361 トーエル -5.0 Y
9824 泉州電業 -9.5  
1766 東建コーポレーション -8.6 Y
3287 星野リゾ−ト・リ−ト投資法人 -2.0  
9678 カナモト -7.3  
4666 パーク24 -10.0  
7968 TASAKI -16.7  
1873 東日本ハウス -15.6  
9603 エイチ・アイ・エス -15.9  
8917 ファースト住建 -16.9  
6309 巴工業 -12.8  
3318 メガネスーパー -3.4  
4355 ロングライフホールディング -11.8  

図1は、「株<優待>アノマリー情報」で銘柄選定の基準とした優待スコア順に10月権利確定銘柄の日々騰落率合計(10/1〜10/17)を出した結果です(「Y」は、株「優待」アノマリー掲載銘柄)。優待スコアの高い掲載銘柄の値持ちの良さが目立ちます。やはり、優待に対する惹きが強いということでしょう。

スコアの低い銘柄は軒並み1割以上の下落となっています。権利付売買最終日は10/28。市場全体が持ち直していない場合には、権利落ちで堰を切ったように下がる可能性もありそうです。


“期間特定型”売買のリスク・リターン度を測る「優待スコア」

「優待スコア」は、「権利確定月の3ヶ月前に買い、権利確定月の月初に売る」という3ヶ月ホールド売買のリスク・リターン度(RR)を基本に算出しています。このRRの算出方法は、優待銘柄に限らず、ホールド期間を決めて売買する場合の収益見通しを考えるうえで役に立ちます。

リターン
期間中の一日あたり損益(ホールド・ロングのみなら、日々騰落率の平均値)
リスク
期間中の一日あたり損益の変動(日々騰落率の1標準偏差)
リスクリターン度(RR)
リターン÷リスク(Return/Risk)

分母のリターンが高いほどRRは高くなります。また、分子のリスクが低いほどRRは高くなります。収益性が高いか、損益変動が安定しているか、のどちらか、あるいは両方だとRRは高まります。RRは高ければ高いほどよいことになります。リターンは高いがリスクであるボラティリティーも高いとRRは上がりません。リターンは低いがリスクも低いとRRは下がりません。手数料などのコストは考慮していませんので、トレード回数が多い売買では別途に配慮が必要です。

ほとんど日足バージョンのシャープレシオみたいなものです(シャープレシオはリターンからリスクフリーレート(安全資産の利回り)を引き算します)。リスクリターン率=総損益÷最大ドローダウン、で計算される場合もありますが、それとは異なります。

優待スコアが高く、「株<優待>アノマリー情報」の掲載銘柄となった銘柄例です。過去5年で益を積み重ねています。リターンとリスクがほどよくバランスしてRRは、0.19とまあまあな高さです。

金額に喩えて言うと、毎日1000円の変動に晒されながら、190円の利益を期待する感じです。保有日数が60日だと、毎日1000円の変動に晒されながら、最終的に、60×190=11400円の利益を期待することになります。但し、日々の変動が1000円に止まらないで、3σ(標準偏差)、4σといった変動を見せると、3000円、4000円の変動が1日にして現れます。

優待スコアが低く「株<優待>アノマリー情報」には掲載されていない銘柄例。過去2回「大当て」を見せていますが、優待と言うよりは他の要因で上昇したものと思われます。リターンは高いものの、ボラティリティーが極めて高く、RRは低い数値(0.03)となっています。たとえで言えば、日々の通常の変動が1000円として、トータルで60×30円=1800円の利益を狙うイメージになります。

RRの数字は過去5年の実績であり、将来もこれまで同様にいくかどうかはわかりません。高いRRをもたらす理由が優待にあるならば、これからは違う、というよりは、似たことが続く、と考えるのが自然ではないでしょうか。

ヤフーファイナンスに「この銘柄を見た人はこんな銘柄も見ています」とかあります。10月優待銘柄を検索すると、<図表−1>にある銘柄が並んだりしますが、「株<優待>アノマリー情報」を見れば、どの銘柄が良さそうなのかがわかります。



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