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<その1>「アメリカ市場」の値動きを売り買いのシグナルにする

アメリカは高値更新。日本市場はまだ「出遅れ」なのか

今日、株価は上がるのか、下がるのか。事前にそれを知ることはもちろんできませんが、おそらく、朝起きてアメリカ市場が上がっていれば「今日は日本株もいけるかも」、アメリカ市場が下がっていると「今日はダメそうだな」と思う人も多いのではないでしょうか。つまり、日本の株式市場はアメリカの株式市場の影響を受けている、と目されるわけですが、実際のところ、アメリカと日本の株式市場はどのくらい値動きが似ているのでしょうか。

図1-1は2007年以降の日経平均株価とアメリカの株価指数S&P500の推移です。アメリカの株価指数としてはNYダウのほうがメジャーですが、指数算出の対象銘柄数がNYダウは30であるのに対して、S&P500は500銘柄と幅広いことからこの指数を用いてみました。

チャートを見ると、2009年半ばまではかなり動きが似ています。しかし、そのあと日経平均株価は2010年4月まで上値を伸ばしたとはいえ、アメリカ市場の上昇にまるでついて行けていません。以後は、アメリカ市場は高値をどんどん切り上げ、「“リーマン・ショック”前の水準を回復した」「最高値を更新した」などとその好調ぶりが伝えられていたのに対して、こちらは上値・下値ともに切り下がる動きを延々と続けています。これによって、日米の市場に大きな差ががついてしまいました。その間に東日本大震災がありましたが、それだけでは到底説明できそうもない格差です。

2012年後半から下値の切り下がりは止まり、そこからアメリカ市場をはるかに凌ぐ強い上昇となったことから、差はかなり縮小しています。そうは言っても、1万8261円という2007年の高値はまだまだ先。日米の差はまだ解消されていないという印象が否めないのではないでしょうか。じつはこれには理由があります。この点については、<その2>で改めて取り上げます。


アメリカが「上がった」「下がった」をシグナルに寄付出動

図1-1のチャートからすると、09年半ば以降、上げ下げの方向性は似ている部分はあるものの、アメリカ市場の動向が日本市場に影響を与えているとまでは言えないような動きです。実際、株価の相関係数を調べてみると、07年から09年6月までは0・96という高い相関性があったのですが、09年6月以降は0・34と、確かに相関性は大幅に落ちています。

では、アメリカ市場の動向は日本市場にほとんど影響しないのか、と言うと、そうでもありません。引値ベースで見れば、アメリカが上がったから日本も上がる、アメリカが下がったから日本も下がる、という相関性は薄くなってはいますが、「アメリカが上がると日本株は前日の引値よりも高く寄り付きやすい」「アメリカが下がると日本株は安く寄り付きやすい」という傾向がある銘柄がかなり多いのです。このことは、毎日市場を見ている人の実感とも一致すると思います。

さらに興味深いのは、とくに内需関連銘柄の中に「アメリカが上がると、寄り付きよりも引値のほうが安くなって陰線になる」「アメリカが下がると、寄り付きよりも引値のほうが高くなって陽線になる」という傾向が確認される銘柄が少なくないことです。理由はわかりませんが、アメリカが上がったのを好感して張り切って寄り付いたものの、考えてみれば内需関連銘柄はアメリカの動向の影響はさほどない、ということで、寄り付いたあとに売られるのかもしれません。

理由はさておき、「アメリカが上がると陰線になりやすい」「アメリカが下がると陽線になりやすい」銘柄ならば、「アメリカが上がったら、寄り付きで信用売りして、大引けで買い戻す」「アメリカが下がったら、寄り付きで信用買いして、大引けで売る」という売買で利益が狙えることになります。

図1-2は、S&P500の株価データと大京(8840)の株価データを使って「S&P500が前日比上昇なら、寄り付きで大京を信用売りする」「S&P500が前日比下落なら、寄り付きで大京を買う」(いずれも大引けで手仕舞う)という売買を検証してみた結果です。

「売り」も「買い」も累積益は右肩上がりになっています。 この銘柄は、アメリカが上がると売られやすい、アメリカが下がると買われやすい、という性格の持ち主のようです。

 もし、いつもウォッチしている銘柄に「『アメリカが上がったから、今日は上がるぞ』と思ったところが場中ダラダラ売られる」「『アメリカが下がったから、今日はダメだろう』と思っていると、場中買われて値上がりする」という印象があるなら、一度株価データを調べてみてはどうでしょうか。アメリカ市場のデータは、アメリカの『YAHOO! FINANCE』で簡単にダウンロードできます(使うデータは、日本の日付の前日の株価になります)。




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